2024.09.05
事務所通信熊本令和6年度の税制改正により、倒産防止共済掛金を損金に算入する際の制限が新たに設けられました。既に加入されている方も、今後再加入する際に関わってくる内容となります。今回は、その改正内容についてご紹介します。
中小企業倒産防止共済、いわゆる「経営セーフティ共済」は、掛金を払うことで、取引先の倒産時にその掛金の最高10倍(上限8千万円)まで、無担保・無保証人で借りられる制度です。この貸付は無利息で、貸付けを受けた共済金の額の 10分の1に相当する額が、納付した掛金から控除され、その掛金の権利は消滅します。
掛金については、事業年度内に支払った掛金については全額を損金に算入することが可能であり、事業年度末に加入し1年分を前納した場合でも全額を損金に算入することができます。今回の税制改正により、この【全額を損金に算入】とすることに、制限が設けられることになりました。
令和6年度の税制改正により、令和6年10月以後は、
任意解約してから2年間は、再加入しても掛金を損金に算入することができなくなります。
これまでは、解約した年度内に再契約し1年分の掛金を前納しても全額損金計上することが可能でした。そのため、前納すれば、1年間の掛金を最大240万円(20万円×12カ月)まで一括納付することが可能で、利益が大きく税率が高い年度に掛金を多く支払い、利益が少ない年度に解約返戻金を受け取ることで、節税することができました。
今回の改正により、任意解約後すぐ再加入しても2年間は損金算入することができなくなったことで、任意解約と再加入、掛金の前納を繰り返す節税に制限が設けられる形となりました。
ただし、任意解約から2年以内でも再加入することは引き続き可能です。
2年以内に再加入された場合、任意解約した日から2年を経過するまでの掛金は損金に算入せず、2年を経過した日以後の掛金から損金に算入していくことになります。
詳細につきましては、各担当者までお気軽にお問い合わせください。
≪参考≫ 国税庁ホームページ
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/hojin/kaisei_gaiyo2024/pdf/O.pdf
【熊本本部 松尾】