2021.01.05
事務所通信熊本明けましておめでとうございます。
本年もさくら優和パートナーズグループをどうぞ宜しくお願い申し上げます。
昨年は新型コロナウィルス一色で終わった年でした。年が明けてからも連日、感染者拡大のニュースでひっきりなしという波乱含みのスタートとなりました。それでも英米ではすでにワクチンの接種が始まったとの明るいニュースも一部では聞こえてきています。
「明けない夜はない」と希望を持って新しい年を迎えることと致しましょう。
さて、今年は丑年です。丑は古くから酪農や農業で我々人間を助けてくれた大切な動物でした。大変な農作業を文句も言わず手伝ってくれるその実直な働きぶりから、丑年は「我慢(耐える)」、「これから発展する前触れ(芽が出る)」というような年になるといわれているそうです。
過去には、人類初の宇宙飛行や、日本では自民党から民主党への政権交代、ハイブリッド車のデビュー、コンビニエンスストアチェーン1号店出店など革新的な出来事もありました。
繰り返しになりますが、2020年は新型コロナウイルス・パンデミックによって世界中が多くの困難に見舞われた年となりました。2021年は皆で力を合わせてコロナを克服し、その中から数々のイノベーションが生まれ、希望に満ちた年になることを願ってやみません。
次は、当事務所の経営方針についてです。2021年のテーマは、「経営の王道・原点」に立ち戻ること。コロナ禍で疲弊した今こそ、中小企業においても経営の王道・原点に立ち戻るべきではないかと思っています。
まずは、自社製商品、自社サービスの不断の見直しを行うこと。すなわち「選択と集中」です。
優良事業で稼いだ利益を競争力の乏しい他の事業が食い潰すことになってはいないか。あるいは、生産性の低い業務に時間と人を費やしていることがないかどうか。事業の多角化も大事ですが、カネ、人など経営資源には限りがあります。自社の得意とする分野や生産性の高い業務に経営資源を集中投下すべきでしょう。
次に、産業の垣根を越えた「オープンイノベーションの推進」です。日本企業は自社内での技術の組み合わせは得意でも他社との協働は不得手であることが多いと言われています。しかし最近になってようやく大企業で協働の動きが出てきました。衣料分の新素材を用いた高機能商品の開発や、約15社の化学・製薬会社が分業するアビガンの製造がその代表例です。
人間は、二〇万年以上の長い歴史の中で、閉鎖的でありながらも、「よそ者」ともつながることで発展してきました。群れの中で、冒険心のある者が他の群れのよそ者と交流することで、その群れでは得られない新しいモノや知識を得てきたわけです。これこそが他の動物にはない人間の特徴で、人間の発展の源泉だと言われています。
つまり、「よそ者とのつながりに」による「三人寄れば文殊の知恵」的効果です。
ある調査によりますと、従業員一人当たりの売上高は、同じ都道府県内の企業との取引を増やしても必ずしも増えることはありませんが、都道府県外の企業との取引を増やすと増えることが分かっています。
政府が旗を振るDX(デジタルトランスフォーメーション)推進も重要ですが、それと同時に、「選択と集中」「オープンイノベーション推進」を断行することこそ中小企業には不可欠ではないかと思います。1社でも多くの企業が経営の王道・原点に立ち戻り、この困難を乗り切っていかれることを期待したいと思います。
【熊本本部代表 岡野 訓】