2020.08.05
事務所通信令和2年7月豪雨により被害を受けられた皆様方に、心からお見舞い申し上げます。
今般の豪雨による被害を受けたことにより、申告・納税等をその期限までにできないときは、税務署に申請することにより期限の延長や納税の猶予等を受けられるなどの税制上の措置がございます。
予定納税の減額 | |||
所得税法 | 災害等を受けた日の区分 | 1月1日~6月30日 | 6月30日の現況によって、その年の所得金額と税額を見積り、原則として7月15日までに第1期分及び第2期分の減額を申請 |
7月1日~10月31日 | 10月31日の現況によって、その年の所得税額と税額を見積り、原則として11月15日までに第2期分の減額を申請 | ||
災害減免法 | 7月1日から12月31日までの間に災害を受けた場合で、次の〈イ〉、〈ロ〉のいずれにも該当するときは、その年の所得金額と「所得税の軽減額の計算」による税額とを見積もり、災害のあった日から2ヶ月以内に減額を申請 〈イ〉住宅や家財に受けた損害額がその価格の2分の1以上であること 〈ロ〉その年の所得金額の見積額が1,000万円以下であること |
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給与所得者の源泉所得税の徴収猶予など | |||
上記〈イ〉、〈ロ〉のいずれにも該当するときは、所得金額の見積額に応じて所得税及び復興特別所得税の源泉徴収税額の徴収猶予や還付を受けることができます。 尚、該当しない場合であっても損害額がその年の所得金額の10分の1を超えるなど雑損控除の適用があると見込まれるときは、その雑損失の金額に対応する所得税及び復興特別所得税の源泉徴収税額について徴収猶予を受けることができます。 |
災害によって被害を受けたことにより居住の用に供することができなくなった住宅用家屋については、居住の用に供することができなくなった年以後の残りの適用年においても、引き続き住宅借入金特別控除の適用を受けることができます。
ただし原則として、新たに取得した住宅用家屋について住宅借入金特別控除等の適用を受けるなど一定の場合には、適用期間の特例を受けることはできません。(下記「重複摘要の特例」の適用を受けることができる場合を除く)
被災者生活再建支援法が適用された市区町村の区域内(※)に所在する住宅用家屋を、その災害により居住の用に供することができなくなった場合には、一定期間内に新たに住宅用家屋の再取得等をした場合の住宅借入金等特別控除と、従前家屋に係る住宅借入金特別控除を重複して適用することができます。
尚、重複適用の特例を受ける場合には、それぞれの控除額の限度額のうち最も高い金額が控除限度額となります。※熊本県(県内全域)・福岡県大牟田市外
こちらは確定申告書に被災の事実を明らかにする次の書類を添付する必要があります。
・従前家屋の被害の状況等を証する書類(り災証明書)
・従前家屋の登記事項証明書の原本(滅失した住宅については、閉鎖登記記録に係る登記事項証明書)
災害により損失が生じた場合、法人税などが還付される場合があります。
災害のあった日から1年以内に終了する事業年度において、災害損失欠損金額(※)がある場合には、その事業年度開始の日から1年(青色申告書の場合には2年)以内に開始した事業年度の法人税額のうち災害損失欠損金額に対応する部分の金額について、還付を請求することができます。
※災害損失欠損金:棚卸資産や固定資産などについて災害のあった日の属する事業年度において災害により生じた損失の額のうち欠損金額に達するまでの金額のこと
災害のあった日から6月以内に終了する中間期間において、災害損失金額がある場合には、仮決算の中間申告において、控除しきれなかった所得税額の還付を受けることができます。
※災害損失金額:棚卸資産や固定資産などについて災害のあった日の属する事業年度において災害により生じた損失の額のこと
特定非常災害として指定された災害について、その発生日から同日の翌日以後5年を経過する日までの期間内に、被災代替資産等の取得等をして事業の用に供した場合には、特別償却をすることができます。
このほかにも災害に関する税制上の措置がありますので、詳細については担当者、最寄りの税務署にお尋ね頂くか、国税庁HPの「「災害関連情報」をご覧ください。
【熊本本部 門岡 篤志】