2023.11.27
事務所通信熊本相続又は遺贈により財産を取得した方が、その相続開始前7年以内(改正前は3年以内)に その相続に係る被相続人から暦年課税による贈与により財産を取得したことがある場合には、 その贈与により取得した財産の価額(その財産のうち相続開始前3年以内に贈与により取得した財産以外の財産については、その財産の価額の合計額から100万円を控除した残額)を 相続税の課税価格に加算することとされます。
この改正は、令和6年1月1日以後に贈与により取得する財産に係る相続税について適用されます。具体的な贈与の時期等と加算対象期間は次のとおりです。
被相続人:甲
相続開始日:令和10年4月1日
相続人:甲の長男(乙)・甲の長女(丙)
乙と丙が甲から生前に贈与(暦年課税)により取得していた財産の価額は次のとおり。
〔解説〕
相続開始日が令和10年4月1日のため、加算対象期間は令和6年1月1日から相続開始日までの間となります。したがって、②から⑤までの贈与により取得した財産の価額が相続税の課税価格に加算されます。
なお、この加算の対象となる財産のうち相続開始前3年以内の贈与により取得した財産以外の財産については、その財産の価額の合計額から100万円を控除した残額が相続税の課税価格に加算されます。
したがって、各人の相続税の課税価格に加算される贈与により取得した財産の価額は、次のとおりです。
〔相続開始前3年以内の贈与以外の贈与財産〕 〔相続開始前3年以内の贈与財産〕
乙:〔(②200万円+③100万円)-100万円〕 + 〔④100万円+⑤200万円〕=500万円
丙:〔(②150万円+③300万円)-100万円〕 + 〔④200万円+⑤200万円〕=750万円
また、①の贈与により取得した財産の価額については、令和5年12月31日以前の贈与のため、相続税の課税価格に加算されません。
≪参考≫ 国税庁.「令和5年度相続税及び贈与税の税制改正のあらまし」
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/0023006-004.pdf
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