2023.10.05
事務所通信熊本インボイス(適格請求書)制度が始まるにあたり、日々の物品購入やETCシステム利用でのクレジットカード決済についてどのようにすれば良いかというお問合せが増えております。本通信では、その中でも特にご留意いただきたい事項についてQ&A方式でお答えします。
従来、クレジットカード会社から発行される利用明細書だけでは、原則、消費税における仕入税額控除を行う事は出来ません。仕入税額控除を行う為には、明細に対応する領収書の保存が必要でしたが、帳簿へ一定事項(金額が3万円未満、利用店舗の店舗名や住所等)を記載する事で領収書の保存を省略する事が出来ていました。
今回のインボイス制度においても、クレジットカード利用明細書ではインボイスの記載事項を満たす書類としては不十分である為、明細書のみでは仕入税額控除を行う事が出来ません。原則、クレジットカードを利用した際に店舗にて領収書を発行して頂き、保存して頂く必要がございます。しかし、インボイス制度開始後も、少額特例を利用する事で従来通り領収書の保存省略を行う事が出来ますが(金額が1万円未満及び対象要件、一定事項の記載有)、期限付きの特例である為、今から保存を行っていても問題ないかと思われます。
【少額特例】
〇対象要件:前々年度における課税売上高が1億円以下または前年度の上半期における課税売上高が5,000万円以下
〇特例内容:税込1万円未満の取引においては、一定事項を記載した帳簿を保存する事で仕入税額控除可能
〇対象期間:令和5年10月1日~令和11年9月30日
ETCクレジットカードにて高速道路を利用した場合、高速道路会社(NEXCO西日本等)が運営するインターネット上の「ETC利用照会サービス」から「利用証明書」をダウンロードし、電子インボイスとして保存する必要がございます。しかし、高速道路の利用頻度が高く、全ての利用証明書の保存が困難な場合は、「クレジットカード会社から受領する明細書」と「任意の一取引に係る利用証明書」を併せて保存する事で、仕入税額控除を行えるとされています。
【高速道路利用とインボイス制度】
支払方法 | 対応書類 |
---|---|
現金 | 領収書 |
クレジットカード | 利用証明書(料金所より発行) |
ETCクレジットカード | 利用証明書(利用照会サービスより発行) |
※高速道路利用が高頻度の場合 ⇒ 「クレジットカード明細+任意の一取引に係る利用証明書」
詳細につきましては、各担当者までお気軽にお問い合わせください。【熊本本部 西橋】