2022.06.27
事務所通信熊本2022年10月に火災保険料の改定が検討されています。多くの地域で10~15%程度値上すると見られており、沖縄、大阪の木造住宅は、なんと30%以上の値上げも予想されています。さらに、長期契約期間も最長5年へと短縮になる予定です。そこで、現在の火災保険を確認しつつ、値上げに備える対策を行いましょう。
2021年6月16日、損害保険各社でつくる団体「損害保険料算出機構」は、火災保険の保険料の目安となる「参考純率」を全国平均で10.9%引き上げることを発表しました(出典:損害保険料算出機構「火災保険参考純率改定のご案内」)。 これにより、2022年の火災保険料の値上げがほぼ確実となりました。 火災保険料の値上げの最大の理由は、自然災害による保険金の支払額が想定以上に膨らみ、このままでは保険金の支払が厳しくなるからです。近年の風水害などによる保険金の支払額は、2018年約1兆5148億円 、 2019年約1兆720億円 、 2020年約2489億円となっており、2年連続で1兆円を超えたのは過去にも例がありません。2020年こそ約2500億円と前年より低くなったものの、今後も風水害は増大するとの予想もあり保険金支払額が膨らむのは必至だと損保業界では見ています。
火災保険料の改定だけでなく、最長契約期間の短縮も予定されています。これも保険料の実質的な値上げです。現在は、最長10年間の契約が可能ですが、今後は最長5年に短縮となる見込みです。火災保険には、「長期割引」という割引制度があり、契約期間が長ければ長いほど保険料が割り引かれる制度なので10年の長期契約の場合からすると5年契約では割引率がおよそ4~6%下がると言われています。
現在加入している保険の保証内容が立地条件等と照らし合わせて適切か再確認してみましょう。
火災保険料の改定率は、参考純率の増減率を参考にしているとはいっても、完全に比例しているわけではなく、各損保会社の判断に委ねられています。実際にどれくらい保険料が上がるのかは、見積もりを取ってみないと分からないのです。そのため、改定時期が来る前に、「改定以前に契約した場合の見積もり」と「改定後に契約した場合の見積もり」を取っておくことが重要です。
上記したように火災保険には「長期割引」という制度があるため、契約期間が長いほど割引率が高くなります。10年契約であれば、単年契約を10回更新するよりも、保険料を約18%も節約できます。そのため、保険期間が短縮となる直前に、今の火災保険を解約して10年の長期契約を結び直すと、長期契約の期間を最大限に延ばすことが可能です。
ご質問等ございましたら、各担当者までお気軽にご相談ください。
【熊本本部 本田】