所有不動産記録証明制度の概要と活用メリット
「所有不動産記録証明制度」は、相続手続きや不動産管理のあり方を大きく変える画期的な制度です。
これまでは、亡くなった方が全国のどこに不動産を持っていたかを調べるには、各自治体から届く納税通知書を探したり、心当たりのある市町村で「名寄帳(なよせちょう)」を取り寄せたりするしかなく、漏れが発生しやすいのが課題でした。この新制度のポイントを分かりやすく整理して解説します。
1. 制度の概要
特定の人が「全国のどこに、どの不動産を所有しているか」を法務局が一括でリスト化し、「所有不動産記録証明書」として発行してくれる制度です。
- 対象 日本全国の土地・建物
- 検索の仕組み 登記簿上の「氏名」と「住所」をキーにして検索されます。
2. 誰が請求できる?(プライバシー保護)
誰でも他人の情報を覗けるわけではありません。請求できるのは以下の方に限定されています。
- 名義人本人(自分の所有物件を確認したい場合)
- 名義人の相続人・法定代理人(親が亡くなった後の調査など)
- 委任を受けた代理人(弁護士や司法書士など)
3. 主なメリット
- 「低価値不動産」の発見: 価値が低く固定資産税がかかっていない(納税通知書が届かない)土地なども漏らさず把握できます。
- 相続登記義務化への対応: 2024年4月から相続登記が義務化されましたが、この制度を使えば「知らなかった不動産」による過料(ペナルティ)のリスクを減らせます。
- 生前整理に活用: 自分がどこに土地を持っているか整理し、遺言書作成の資料にできます。
4. 注意点(重要!)
- 住所変更をしていないと漏れる可能性: この制度は「氏名」と「住所」で検索します。もし過去に引っ越しをして登記簿上の住所を更新していない場合、現在の住所で検索してもヒットしない可能性があります。
- 手数料がかかる: 1通あたりの手数料(書面申請で1,600円程度など、検索条件の数により変動)が必要になります。
- 「存在」を証明するもので「権利」を確定するものではない: あくまで登記簿上の記録をリスト化するものであり、その土地の境界や実際の利用価値を保証するものではありません。
まとめ:こんな時に役立ちます
「実家以外に山林や田畑があるらしいが、正確な場所がわからない」「親が全国あちこちに不動産を買っていた可能性がある」といった場合に、まずはこの証明書を1枚取ることで、調査の手間が劇的に軽減されます。